竹林面積は年々拡大傾向にあり、早急な対策が必要です。竹林整備により伐採された竹を有効利用することは、竹林の拡大と森林の荒廃防止の観点からも重要であり、更に、伐採された竹を魚礁として有効活用することは漁場の整備にもつながります。

山口県の竹林面積は、鹿児島、大分に次いで国内第3位の広さを有し、全国の竹林面積の半分以上を九州と山口県が占めています。近年、山口県柳井市においても、1981年に264haであった竹林が2000年には572haにまで拡大しています。(林野庁H19.3まとめ)

竹コンクリート魚礁は、近年、著しく増加し続ける竹林面積とそれにともなう森林の荒廃に着目し、環境保全の立場から、竹林整備により伐採された竹の有効活用を目的とした製品です。伐採された竹を有効利用することで森林荒廃の防止と近海漁場の整備の双方に配慮した製品となっています。(意匠登録  第1227339号,特許登録 第5190639号)

竹コンクリート魚礁        

《 竹コンクリート魚礁の特長 》

有機質である竹を利用しているため、一般のコンクリート魚礁に比べ藻類等の付着が早く、集魚効果をより一層高めることが可能です。

竹の内部に鉄筋を通しモルタルを充填することで、竹が腐食した後もコンクリート魚礁としての機能を維持できる構造となっています。

直径の大きな孟宗竹を使用し、中空部に鉄筋を挿入し流動モルタルを充填することで、耐久性と強度を向上させています。(特許登録 第5190639号)

竹コンクリート魚礁      

《 柳井市伊保庄・周南市大津島での沈設 》

平成17年9月、竹コンクリート魚礁の効果を検証するため試作品を製造し、柳井市伊保庄にて試験沈設を実施しました。沈設から1年後の追跡調査を経て、平成20年3月に離島漁業再生支援事業を進める周南市様・大津島漁業集落協定グループ様の発注により、周南市大津島において16基の竹コンクリート魚礁を沈設しました。

柳井市伊保庄・周南市大津島での沈設

柳井市伊保庄での追跡調査の結果、竹には、けい藻やフジツボが多く付着し、魚礁の周辺にはメバルやアジ等の魚が泳いでいる姿が確認できました。

また、平成20年9月に行った周南市大津島での追跡調査においても多くの集魚効果が確認されています。

 

周南市大津島に沈設した竹コンクリート魚礁の竹材には、同市大津島地区と同市湯野地区でボランティアの一環として整備・伐採された竹を使用しています。

当社では、これにより竹林拡大と森林荒廃の防止に貢献し、漁業の活性化に役立てると考えています。

ボランティアによる竹林整備